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エナメル質形成不全の原因とは?妊娠中・遺伝・子ども期の影響まで解説

エナメル質形成不全の原因とは?妊娠中・遺伝・子ども期の影響まで解説

歯の表面が白く濁っていたり、茶色く変色していたり、歯が欠けやすいと感じたりした場合、エナメル質形成不全の可能性があります。

 

エナメル質形成不全は、歯の表面を覆うエナメル質が正常に作られなかった状態のことをいいます。見た目だけでなく、むし歯のリスクや知覚過敏につながることもあるため、原因を理解したうえで適切に対処することが重要です。

 

また、エナメル質形成不全の原因はひとつではありません。妊娠中の影響や遺伝、乳幼児期の栄養状態、薬や疾患など、さまざまな要因が関係しています。この記事では、エナメル質形成不全の原因を時期や歯の種類ごとに整理しながら、ご自身やお子さまに当てはまるケースの見極め方を分かりやすく解説します。

エナメル質形成不全とは?

エナメル質形成不全とは?
エナメル質形成不全とは、歯の表面を覆うエナメル質が正常に形成されない状態です。

 

エナメル質は歯の表面を保護する重要な組織ですが、一度十分に形成されなかった部分は自然に元へ戻りません。形成不全が起こると、歯の表面に白い斑点や茶色い変色、凹凸、欠けなどが現れることがあります。

 

エナメル質が弱いと、むし歯になりやすくなったり、冷たいものがしみやすくなったりするケースもあります。

 

症状の程度は人によって異なり、見た目だけの軽度なものから、歯が大きく欠ける重度のケースまでさまざまです。

 

エナメル質形成不全は、永久歯の前歯や6歳臼歯に現れることが多く、見た目が似ているため、ホワイトスポットと混同されることもあります。

エナメル質形成不全の原因は?妊娠中・遺伝・薬・疾患まで解説

エナメル質形成不全の原因は?妊娠中・遺伝・薬・疾患まで解説
エナメル質形成不全の原因は一つではありません。歯が作られる時期に何らかの影響を受けることで起こります。

 

原因によって、乳歯に起こるのか、永久歯に起こるのか、どの歯に症状が現れるのかが変わることもあります。ここでは、代表的な原因を確認していきましょう。

遺伝子が関係する場合(先天性)

代表的なものにエナメル質形成不全症(Amelogenesis Imperfecta)があり、エナメル質を作る遺伝子に異常があることで、複数の歯に広範囲の症状が現れます。

 

遺伝子が関係する場合、乳歯・永久歯の両方に症状が現れるケースもあり、家族内で似た症状がみられるケースも珍しくありません。単に白い斑点があるだけではなく、歯が薄い、欠けやすい、強い変色があるなど、症状が比較的重い傾向にあるのが特徴です。

 

セルフケアのみでの改善は難しく、長期的な管理や治療が必要になるケースもあります。

赤ちゃん期に起こる場合(妊娠中・出産)

乳歯や永久歯の一部は、お腹の中にいる時期から作られ始めているため、妊娠中や出産時の影響が、赤ちゃんの歯の形成に関係することもあります。

 

以下のような原因が、歯の形成に影響を与える可能性があります。

 

  • 妊娠中の栄養不足
  • 妊娠中の高熱や感染症
  • 早産
  • 低出生体重など

 

ただし、妊娠中の特定の行動だけが直接の原因になるとは限りません。実際には複数の要因が重なって起こることも多く、原因を完全に特定できないケースもあります。気になる症状があれば、早めに歯科医院で相談することが大切です。

子供に起こる場合(乳幼児期)

乳幼児期の歯が作られる時期に、高熱を伴う病気や栄養不足があると、エナメル質の形成に影響する可能性があります。

 

以下のような要因が関係すると考えられています。

 

  • 発熱を伴う感染症
  • 栄養障害
  • 栄養バランスの偏り

 

乳幼児期は歯の形成が進む重要な時期であり、高熱や栄養状態などの影響を受けやすいと考えられています。気になる変色や欠けがある場合は、早めに歯科医院で相談することが大切です。

永久歯に起こる場合(歯の形成期)

永久歯のエナメル質形成不全は、歯が顎の中で作られている時期に影響を受けることで起こります。永久歯は乳歯よりも長い時間をかけて形成されるため、その間の全身状態が関係することがあります。

 

以下は代表的な例です。

 

  • 幼少期の高熱
  • 重度の感染症
  • 栄養障害
  • 外傷など

 

乳歯の根の先に強い炎症が起きると、その下で作られている永久歯に影響を与えるケースもあります。特定の歯だけに症状が出ている場合は、局所的な影響が関係していることも少なくありません。

乳歯・6歳臼歯に起こる場合(歯の種類別)

6歳臼歯(6歳頃に生える奥歯)は形成期間が長いため、幼少期の体調不良や栄養状態の影響を受けやすい歯です。

 

6歳臼歯は生えてきた時点で白く濁る、茶色く変色する、欠けやすいといった症状も。6歳臼歯は噛む力が強くかかる歯でもあるため、形成不全があると早期にむし歯や破折につながるリスクもあることを覚えておきましょう。

薬・疾患が関係する場合(外的要因)

薬や全身疾患がエナメル質形成不全に関係することも考えられます。例として、歯の形成期に使用した一部の薬剤が影響する場合です。

 

また、以下のような全身状態に関わる病気が影響することもあります。

 

  • 高熱を伴う疾患
  • 腎疾患
  • 消化器疾患
  • 栄養吸収障害など

 

エナメル質形成不全は、薬を飲んだから必ず発症するという単純な話ではありません。服用時期や量、全身状態など複数の要因が関係するため、不安がある場合は歯科医院で相談するようにしましょう。

あなたはエナメル質形成不全?原因を見極めるポイント

あなたはエナメル質形成不全?原因を見極めるポイント
エナメル質形成不全は、ホワイトスポットや初期むし歯と見分けがつきにくいことがあります。しかし症状の出方や時期を整理すると、ある程度原因の傾向を推測できます。

 

ここでは、原因を見極める際のポイントを確認していきましょう。

症状(白・茶色・欠け)から考える原因

白い斑点だけなのか、茶色く変色しているのか、歯が欠けているのかによって症状の程度や原因の可能性は異なります。

 

症状 状態の目安
白く濁る 比較的軽度にみられる
茶色い変色 エナメル質の異常が強い場合もある
欠けや凹み 重度でみられることがある

 

複数の歯に同じような症状がある場合は、全身的・遺伝的な原因が関係している可能性があります。一方で1本だけに症状がある場合は、外傷や局所的な炎症の影響が考えられるでしょう。

発症時期から逆算する方法

いつ作られていた歯かを考えると、原因をある程度推測が可能です。

 

発症時期 考えられる原因の時期
乳歯 妊娠中〜出生前後
6歳臼歯(6歳頃に生える奥歯) 幼少期
前歯の永久歯 乳幼児期

 

高熱を出した時期や大きな病気をした時期と歯の形成時期が重なると、原因を推測するヒントになります。

セルフチェックのポイント

以下の特徴に当てはまる場合は、エナメル質形成不全の可能性があります。

 

  • 子どもの頃から白い部分がある
  • 複数の歯や左右対称の位置に同じような症状がある
  • 白いだけでなく茶色い変色や欠けがある
  • 特定の歯だけ白くなっている
  • 冷たいものがしみやすい

 

矯正後に白くなった場合はホワイトスポット(脱灰)であることも。一方、子どもの頃から複数の歯に症状がある場合は、エナメル質形成不全の可能性も疑いましょう。

 

見た目だけで自己判断するのは難しいため、気になる場合は歯科医院で確認することが大切です。

エナメル質形成不全とホワイトスポットの違い

エナメル質形成不全とホワイトスポットの違い
エナメル質形成不全とホワイトスポットは、どちらも歯が白く見えるため混同されやすい症状です。それぞれの違いを以下の表にまとめました。

 

症状 エナメル質形成不全 ホワイトスポット
原因 歯の形成異常 脱灰(初期むし歯)
特徴 エナメル質そのものが弱い 歯の表面が部分的に白濁する
見た目 白・黄・茶色、凹凸がみられる 白い斑点状に見える

 

ホワイトスポットは、初期むし歯や脱灰によって歯の表面が白く濁った状態を指し、矯正中の磨き残しなどでも起こります。一方でエナメル質形成不全は、歯が作られる段階でエナメル質そのものが正常に形成されなかった状態です。

 

見た目だけで判断するのは難しいため、気になる場合は歯科医院で診断を受けることが大切です。

エナメル質形成不全は放置しても大丈夫?

エナメル質形成不全は放置しても大丈夫?
エナメル質形成不全は、症状が軽度でも放置しないことが重要です。エナメル質が弱い状態のため通常の歯よりもむし歯になりやすく、欠けやすい傾向があるためです。また、知覚過敏が起こったり、見た目のコンプレックスにつながったりすることも有り得ます。

 

特に6歳臼歯のような噛む力が強くかかる歯では、早い段階で大きく欠けてしまうケースも考えられるでしょう。

 

軽度であれば歯科医師の判断で経過観察になり得ますが、白く見えるだけだから問題ないと自己判断して放置するのは避けるのがベストです。むし歯や欠けなどのトラブルにつながる前に歯科医院を受診し、原因や状態を確認しておきましょう。

エナメル質形成不全の治療方法

エナメル質形成不全の治療方法
エナメル質形成不全の治療は、症状の程度によって異なります。

軽度であれば歯を守る治療が中心になりますが、重度の場合は見た目や機能を回復する治療が必要になるケースもあります。

軽度の場合

軽度の場合は、以下のような歯を保護していく治療が中心です。

 

  • フッ素塗布
  • 再石灰化の促進
  • 定期管理

 

必要に応じて、レジン(樹脂)で見た目を整える場合もあります。エナメル質形成不全はむし歯リスクが高くなるため、毎日の歯磨きや定期検診も欠かさず行いましょう。

中等度〜重度の場合

歯が大きく欠けている場合や、強い変色がある場合には、以下のような治療が検討されます。

 

  • ダイレクトボンディング
  • ラミネートベニア
  • セラミッククラウン

 

ただし、歯を削る治療にはメリットだけでなく負担もあるため、症状に合わせて慎重に判断しましょう。

 

従来のラミネートベニアよりもさらに薄い素材を使用した「ラブリエ」は、健康な歯を削らず歯質をできるだけ残しながら見た目の改善を目指せる点が特徴なので、検討の選択肢になるかもしれません。

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エナメル質形成不全は原因を理解して適切に対処しよう

エナメル質形成不全は原因を理解して適切に対処しよう
エナメル質形成不全の原因は、妊娠中の影響、遺伝、乳幼児期の体調、薬や疾患などさまざまです。

また、乳歯・永久歯・6歳臼歯など、どの歯に症状が現れるかによっても原因の傾向は変わります。

大切なのは、歯が白く見えるからといって、ホワイトスポットだと自己判断で決めつけないことです。見た目が似ていても、エナメル質形成不全の場合は歯そのものが弱くなっている可能性があります。

 

気になる症状がある場合は、歯科医院で相談し、原因や症状の程度を正しく把握して自分に合った治療やケアを選択しましょう。

 

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監修者情報

監修者情報

院長
原俊太朗(ハラシュンタロウ)

【経歴】
H24年 駿台甲府高校 卒業
H24年 松本歯科大学 歯学部 入学
H31年 松本歯科大学 歯学部 卒業
H31年 歯科医師免許証 取得
R2年 臨床研修修了 登録
R2年 エスカ歯科・矯正歯科 常勤医師
R4年 名古屋ウィズ歯科・矯正歯科院長 就任
【所属団体】
日本矯正歯科学会
日本審美歯科学会
日本口腔インプラント学会
口腔インプラント学会
ノーベルバイオケア社インプラントコース修了
club GP会員
international team for implantology会員

駿台甲府高校高校卒業後、松本歯科大学歯学部入学、卒業後に医療法人スワン会に入局。臨床研修取得後2020年医療法人清翔会に入社、エスカ歯科・矯正歯科、名駅アール歯科・矯正歯科、名古屋ウィズ歯科・矯正歯科、名古屋みなと歯科・矯正歯科などのさまざまな歯科医院で保険診療からインプラント、審美歯科、矯正歯科、すべての治療を学ぶ。
圧倒的な実績を積み、2022年1月名古屋ウィズ歯科・矯正歯科院長に就任。
患者さまの困っている声に耳を傾け、患者さまの人生に寄り添って、納得のいくまで治療の説明を行っています。

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