~歯肉退縮の理論~
みなさんこんにちは!
名古屋ウィズ歯科・矯正歯科の郷原でございます。
本日は歯肉退縮の理論についてお話します。
歯肉退縮はどんな状態?
歯肉退縮とは、歯肉が下がって歯根が見えてしまった状態、もっと専門的にいうと、歯肉辺縁の位置がセメントーエナメル境より根尖側み移動し、歯根表面が露出した状態を指します。
50歳以上は100%、小さいお子さんにも8%の方に歯肉退縮がみられます。あらゆる年齢層で悩みの種になっています。
歯肉退縮がおこりやすい人は、どんな人?
骨が減ったために歯肉がずり下がってくる、これが歯肉退縮の本質です。
なので、患者様がもともともっている、「骨の厚み」と「歯肉の厚み」によって歯肉退縮になりやすいかどうかが決まります。
骨の厚み
「骨の厚み」は、コンビームCTで撮影すればわかりますが、装置がない場合もあります。
そのときは、「歯頸部の歯肉のラインで判断する」ようにしてください。骨が厚いほど、歯肉のマージンは平坦なラインになっています。
歯肉の厚み
「歯肉の厚み」のなかでも特に大切なのが「付着歯肉の幅」です。
付着歯肉の特徴は、可動性がなく、硬いこと、歯肉退縮のリスクを診るとき。骨と併せてこの付着歯肉の幅を診ることが大切です。
歯肉退縮のリスク評価
骨も厚くて、付着歯肉ぞ十分にあるタイプは、歯肉退縮はほとんどおこりません。逆に骨も薄く付着歯肉も少ないタイプは、歯肉退縮のリスクは非常に高くなります。ですので、TypeIVの方が矯正治療や補綴治療を受ける場合、歯肉退縮を少なくするために前もって他の部位の歯肉を移植することがあります。骨は薄いままですが、付着歯肉を厚くすることで、歯科治療後の歯肉退縮を防ぐことができるからです。